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写真家アンドレアス・グルスキーの日本初個展 - すべてが等価に広がる独特の視覚世界

2013年7月2日 - 未分類


《99 セント》1999年
© ANDREAS GURSKY / JASPAR, 2013
Courtesy SPRÜTH MAGERS BERLIN LONDON

ドイツの現代写真を代表する写真家アンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)による日本初の個展が、国立新美術館にて開催される。期間は2013年7月3日(水)から2013年9月16日(月・祝)まで。グルスキーはデジタル化が進んだ現代社会に相応しい、すべてが等価に広がる独特の視覚世界を構築し、国際的な注目を集めている写真家。

彼の写真はそのスケールの大きさの中に、人間や人間の痕跡を残す精緻な細部も表現する。抽象と具象、リアルと虚構、全体と細部、右と左など対比関係にあるものを、デジタル技術を駆使し、一枚に収めることで一つの芸術としている。二枚の写真をつなぎ合わせて一枚の大きな作品にしたり、時にはイメージしたものを写真にプラスすることもある。抽象絵画のような写真は、写真を使った画家とも言えるグルスキーが開拓した新たな境地でもある。

グルスキーは作品を制作する上でのインスピレーションについての質問に対して、「普段からアンテナを張り、新聞や雑誌、広告など色々な物に目を通して自身の中でイメージを膨らませることが多いです。身近な風景であったり、難民キャンプのようなヘビーな光景にインスパイアを受けるときもります。」と語る。

しかし彼の場合、被写体が決まって撮影しただけでは作品としてまだ完成ではない。「自らのイメージを付け加えます。例えば《カミオカンデ》。もともとの写真には水は張っていませんでした。」と話すように、グルスキーのイメージでは水があったので、コンピューター技術で水を付け加えたという。その他にも洋服やシューズ、ブランケットなどイメージ通りのものを足していくことで、写真を作品へと仕上げている。

展覧会では、1980年代の初期作品をはじめ、代表作である《99セント》、《ライン川II》、《F1ピットストップIV》、《ピョンヤンI》、 《東京証券取引所》、《カミオカンデ》や、最新作《カタール》にいたるまで、グルスキー自身が厳選した約65点の作品が一堂に会す。また、グルスキーは ファッションの分野も被写体としている。本展で、ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)のショーの様子を捉えた作品《V & R》や、プラダ(PRADA)のシューズが等間隔に配置された《プラダ》や《プラダⅡ》、大量のナイキ(NIKE)やリーボック(Reebok)のスニー カーが並ぶ《無題ⅴ》などが展示される。

2011年11月に行われたオークション「クリスティーズ・ニューヨーク」で、彼の代表作のひとつである《ライン川 II》が、現存する写真家の作品として史上最高額の約433万ドル(約3億4千万円)で落札されたことは耳に新しい。

展示会場は初期から最新作までを順番に並べるのではなく、独自の方法によって構成される。撮影時期やシリーズ、大きさも異なる写真を並置する斬新な展示は、個々の写真を際立たせるとともに、展示室全体が一つの作品のよう。グルスキーの写真世界の魅力が余すところなく紹介され、新たな視覚的体験が楽しめる展覧会となる。

【展覧会概要】
アンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)展
会期:2013年7月3日(水)~2013年9月16日(月・祝)
時間:10:00~18:00 ※金曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日
場所:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
URL:http://gursky.jp/

【アーティスト紹介】
アンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)
1955年に旧東ドイツのライプツィヒで生まれ、幼少期に西ドイツに移住。1977年から1980年まで、エッセンのフォルクヴァング芸術大学でオットー・シュタイナートやミヒャエル・シュミットらの指導のもとヴィジュアル・コミュニケーションを専攻し、その後、1980年から1987年まで、デュッセルドルフ芸術アカデミーで写真界の巨匠ベルント・ベッヒャーに師事。 そして、カンディダ・ヘーファー、アクセル・ヒュッテ、トーマス・ルフ、トーマス・シュトゥルートらとともに、ベルントと妻ヒラの指導を仰いだ「ベッヒャー派」の一人としてその名を知られるようになる。グルスキーは、2010年よりデュッセルドルフ芸術アカデミーの自由芸術学科を担当し、後進の指導にあたっている。